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手足に力が入らない原因は4つ

薬を使わない。

更新日:2019.03.28

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

「手足に力が入らない」と訴える患者さんは意外と多いです。
中には自力で立てなくて、ご家族の方が付き添って来たり、車イスで来院されたりする方もいらっしゃいます。

当院にいらっしゃるこのような方は、病院での検査では何も異常がない方がほとんどです。
そのため、どのように治したらいいのか、途方に暮れてしまっている方もおります。

手足に力が入らなくなる方は意外と多い


原因が見つかれば治しようがありますが、原因が分からないと言われると、どうしようもありません。

実はこの症状は、うつや自律神経失調症の症状では、かなり頻繁に見られます。
手に力が入らない人もいれば、足に力が入らない人もいます。
手や足にしびれが伴う方もおり、その症状の出方は様々です。

このページでは、病院で検査をしても「特に異常がない」と言われた方を対象に、その原因や対策をお伝えします。

病院で検査をされていない方は、まずは脳神経外科を受診されてください。
脳梗塞など、緊急性を要する病気の場合もあります。


手足に力が入らない原因は...?

手足に力が入らない原因は、下記の4つです。


  1. 精神的ストレス...気持ちを抑え込む
  2. 構造的ストレス...体(特に頭蓋骨)のゆがみ
  3. 化学的ストレス...カリウムや糖質などの偏り
  4. 温度のストレス...冷えや冷え性

手や足、体に力が入らない人は、これらの4つの原因のうち、どれかまたは複数に原因があります。 ではそれぞれを詳しくお伝えしましょう。


①精神的ストレス

精神的ストレスとは、「気持ちを抑え込む」ことです。
自分の言いたいことを言わなかったり、自分のやりたいことを我慢したり、人から頼まれても嫌と言えなかったり、人にどう思われるかと気にしてしまったりすることで、自分の気持ちを出さずに抑え込むことです。
このような状態が多いと、手足に力が入らなくなってしまうのです。

我慢をしすぎると手足に力が入らなくなることも...


気持ちというのは「感情」です。そして感情というのはエネルギーです。
「これをしたい!」
「○○を食べたい!」
あるいは
「これはヤダ!」
というようなものは全て感情であり、行動へのエネルギーとなります。

例えば、危害を加えられて、怒りという感情を感じると、顔は赤くなり、体は熱くなり、心臓はドキドキします。
これは、怒りという感情エネルギーが出てきていることで起こるのです。
そして、怒りの対象に向かって自分を守るための行動をします。

つまり、感情のエネルギーは動くためのエネルギーなのです。
しかし、自分の気持ちを抑え込むと、感情エネルギーが出てこなくなります。
このことが続くようになると、感情エネルギーが体からなくなってしまいます。
すると、手足にもエネルギーが行かなくなり、力が入らなくなってしまうのです。

足に力が入らない場合は、体を支えることができないため不安定になります。
そして、体の不安定は心を不安定にさせ、不安がまとわりつくようになります。
手に力が入らない場合は、自分の得たいものを手に入れるということができなくなるため、「あきらめ」の意識が強くなってしまい、希望を持ちにくくなります。

このように、体の状態は心に影響を与えるため、体を整える必要があるのです。
これが次の構造的ストレスに繋がってくるのです。


②構造的ストレス

精神的ストレスは「気持ちを抑え込む」ことですが、このとき無意識に筋肉を緊張させて気持ちを抑え込むのです。
あなたが、何かに怒りを感じて、その怒りを出さずに抑え込んだときの事を思い出してください。
必ず、体のどこかの筋肉を無意識に緊張させていたはずです。
気持ちを抑え込むことが多い人は、それだけ筋肉を緊張させています。
この筋肉の緊張が、体のゆがみを作ります。
これが、構造的なストレスになるのです。

更に、筋肉が緊張すると、筋肉に通っている神経が締め付けられてしまいます。

足の神経が、筋肉により締め付けられている


これが十数分間続く程度ならいいのですが、人によっては何年も筋肉を緊張させ続けている人もおります。
このような方は、神経も締め続けているため、手足に力を入れようと思っても、その情報が脳から手足にまで伝わらなくなってしまっているのです。
更に、血管も締め続けている場合には、しびれる感じが出てくることもあります。

また、首周囲の筋肉の緊張が強いと、頭蓋骨を包んでいる膜(帽状腱膜)が引っ張られてしまうため、頭蓋骨が締め付けられるようになります。
すると、頭蓋骨がゆがんでしまうのです。
頭蓋骨は、脳を保護する大事な骨ですが、ゆがむことによって脳の機能が低下してしまいます。
すると、手足に力を入れようとする機能まで低下してしまうのです。

頭蓋骨はゆがむこともある


さらにこの状態が続くと、体のゆがみが固定してしまい、気持ちを抑えずに出したとしても、筋肉の緊張が簡単には緩まなくなってしまうのです。
そのため、外からの刺激で緩ませる必要が出てくるのです。


③化学的ストレス

化学的ストレスとは主に栄養や化学物質などを言います。
力が入らない場合、神経がうまく働いていません。
その原因で多いのは、カリウムです。
カリウムが体の中に多くあると、神経伝達がうまくいかなくなります。
その結果、手足に力を入れようと思っても、その情報が脳から手足に伝わりにくくなり、力が入らなくなるのです。

手足は意識的に動かせますが、無意識に動く自律神経の情報も伝わりにくくなります。

例えば、明るかったらその情報を自律神経が感知して、瞳孔を収縮させて光があまり目に入らないようにするのですが、カリウムが多いと自律神経の情報が伝わらずに、瞳孔が収縮できません。そのため、まぶしく感じるようになります。

カリウムが多いと、手足に力が入りにくいし、まぶしく感じることも...


他にも心臓の動きや胃腸の動きも自律神経がコントロールしていますが、自律神経の情報が心臓や胃腸にまで届きにくくなり、動悸や不整脈、胃腸障害まで起こります。
注射や点滴などで、カリウムを大量に体内に入れると、心臓さえ動けなくなってしまうのです。

通常ならば、カリウムが過剰に体の中に留まることはなく、カリウムとナトリウムはバランスを保っております。
また日本人は、ナトリウム(塩分)を多く含む食事が多いため、カリウムをたくさん摂ったほうがいいというような情報を得ることも多いと思います。

しかし、大きなストレスを長期間受けている場合は、カリウムの排出能力が低下してしまい、結果として体内のカリウムが増えてしまうのです。

なぜなら、ストレスを長期間受けていると、ストレスに抵抗するホルモンがなくなってしまうからです。このホルモンをコルチゾールといいますが、コルチゾールは、カリウムを体の外に排出する能力も持っているのです。
そのため、コルチゾールが少なくなると、カリウムが体内にとどまりやすいのです。

また、体の中の血糖値が低くても手足に力が入りにくくなります。なぜなら、血糖は筋肉のエネルギーになりますので、血糖が低いと筋肉が働きにくくなります。その結果、手足の筋肉が働きにくくなり、力が入らなくなるのです。
血糖が少なくなる原因は、甘いものをたくさん食べることです。
不思議だと思いますでしょうが、甘いものをたくさん摂ると、血糖値が上がりすぎてしまいます。すると、体はその血糖値を下げようと、インシュリンというホルモンを膵臓から分泌します。この時、血糖値が上がりすぎると、インシュリンが出すぎてしまい、その結果、血糖値が下がりすぎてしまうのです。
そのため、手足に力が入らない方は甘いものを控えたほうがいいのです。


④温度のストレス

気温が低いと、血流は悪くなります。血流が悪くなると、酸素と糖を運べなくなります。筋肉に力を入れるには、酸素と糖が必要です。そのため、体温が低かったり、手足が冷えていたりすると、手足に力が入りにくくなります。


以上、力が入らない原因ですが、力が入らない専門の整体を受けたい方はこちら。


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