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脳神経の機能障害時に起きる、うつの症状について
更新日:2019.03.27
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
前の「脳神経の機能障害時に起きる、うつの症状について」のページでは、頭蓋骨のゆがみが脳の機能にあたえる影響とうつ・自律神経の関係性について、詳しく説明しました。
このページでは、脳神経の種類と働き、そしてその機能が障害を受けている時のうつや自律神経失調症の症状がどのようなものかを見ていきましょう。
脳神経の働きと機能障害時における、うつ・自律神経失調症の症状
神経番号 | 脳神経の名前 | 主な働き | うつや自律神経失調症の症状 |
---|---|---|---|
第1脳神経 | 臭神経 | 臭いを感じ取る。 | 臭いが分からない |
第2脳神経 | 視神経 | ものを見る。 | 物が見にくい・ピントが合わない・一時的な近視・物が二重に見える・目がショボショボする |
第3脳神経 | 動眼神経 | 眼球を動かす。 | 眼球がうまく動かない。(ハエなどが追えなくなる) |
第4脳神経 | 滑車神経 | 眼球を動かす。 | 眼球がうまく動かない。(ハエなどが追えなくなる) |
第5脳神経 | 三叉神経 | 顔全体の感覚(痛みなど)。目や鼻の感覚。ものを咬む。 | 三叉神経痛・目の付近の痛み・虫歯じゃない歯の痛み・鼻の中の違和感 |
第6脳神経 | 外転神経 | 眼球を外側に動かす | 眼球がうまく動かない。(ハエなどが追えなくなる) |
第7脳神経 | 顔面神経 | 表情を出す。味を感じる | 顔面神経痛・顔面神経マヒ・音がこもる・音が響く |
第8脳神経 | 内耳神経 | 音を聞く。平衡感覚を取る | 耳鳴り・難聴・めまい |
第9脳神経 | 舌咽神経 | 味を感じる。飲み込む。唾液を出す | 飲み込みづらい・声が出にくい・ヒステリー球などの症状・のどかしまって息苦しい感じ・舌が痛い |
第10脳神経 | 迷走神経 (※副交感神経の王様のような神経) |
心臓・腎臓・脾臓・膵臓・胃・大小腸などの内臓の働き・汗を出す・話す・飲み込む | 胃腸の障害・動悸・飲み込みづらい・過剰に汗をかく・汗をかかない・だるい(内臓の働きが悪い)・耳が詰まる・音が響く・他 |
第11脳神経 | 副神経 | 僧帽筋・胸鎖乳突筋を動かす | 肩や首の緊張 |
第12脳神経 | 舌下神経 | 舌を動かす | ろれつが回らない(うまくじゃべれない)・舌を咬む・飲み込みづらい感じがする |
通常、体力があるうちは一個の脳神経の軽い機能が障害あっても他の部分が何らかの形でそれを補うように働きます。
そのため、一つの脳神経が障害されても症状に気付かない場合も多いです。
(あくまでも脳神経外科等で取りあつかうような大きな障害ではありません)。
代償(だいしょう)
例えば、あなたが眼球を動かす神経が機能障害を起こして、眼球が右に動かしにくいとします。
この場合、首を右に向かせて右の物を見ようとします。
これを「代償(だいしょう)」といいます。
しかし、代償する神経そのものが機能障害を起こすと、代償することができなくなります。
多くの場合、このように代償が出来なくなった状態で症状に気付きます。
また、代償が続いた場合、その神経や筋肉の緊張が過剰になります。
そして、首を右に向ける神経や筋肉の緊張が過剰になり、そのために色々な症状が出てくることになります。
先ほどの表の症状の欄に書かれている症状ある場合は、その部位の脳神経の機能障害があることがほとんどです。
しかし多くの場合は、代償するはずの神経の機能も障害されている場合も多いのです。
また、うつや自律神経失調症や原因不明といわれる症状は、脳の機能障害が問題ですので、どの脳神経の機能障害があるか判らないのです。
当院では、うつや自律神経失調症、そして原因不明の症状の改善がおもわしくない場合、この脳の機能障害を丁寧に調べて原因を突き止めます。
多くの神経は機能障害が起こると、コントロール機能が低下し働きが弱かったり、強すぎたりします。
それを当院では、施術と共に脳神経のリハビリを行うことで機能を回復させていきます。
リハビリですのである程度の時間はかかりますが、症状に改善がみられることが多いのです。
例えば、ほぼ全てのうつの方と半数以上の自律神経失調症の方は、眼球運動に関わる神経である、動眼神経、滑車神経、外転神経の機能低下が見られます。
そのため、その方にあった眼球運動のリハビリを勧めることが非常に多いです。
中にはうつや自律神経失調症の方でも、目の動きに不自由さを感じていないと思う方もいるでしょうが、それは先ほどお伝えした通り、他の神経が代償して働いているので不自由さを感じないのです。
検査をすることで、目の動きの悪さに改めて気づく方も多いです。
うつや自律神経失調症に限らずに、不快の症状がある方は、多くの場合で脳の機能は低下していることが考えられます。
多くは休養すれば改善しますが、休養できない場合、もしくは休養しても改善されない場合は、当院までご相談ください。
脳神経の機能障害の原因はこのページで解説いたしました頭蓋骨のゆがみ以外に「うつ・自律神経失調症と息苦しい呼吸」のページでも説明しています。