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ネガティブは性格ではなく「体」に問題がある!
更新日:2019.10.31
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
一般的にネガティブは「性格」の問題と思われがちです。
そのため、性格を治さないとネガティブも治らないと思われがちです。
しかし、そのネガティブな性格が、 体の問題で起きているとしたら、あなたはどう思いますか。
<目次>
ネガティブは、性格ではなく「体」に問題がある!
- ネガティブは良いもの?
- ネガティブとは一言でいうと...
- ネガティブになる「体」の4つの原因と対策
1.ネガティブは良いもの?
そもそも、ネガティブはそんなに悪いものではありません。ネガティブは、将来の悪い出来事に対して備えるために必要な思考です。
そのため、超ポジティブでネガティブ度0の人がいたとしたら、自然界ならおそらく生き残れる可能性は0です。
「敵がいるかもしれない。」
こう思うことで、逃げたり戦ったりする心の準備をしているのが自然界です。自然界ではポジティブ100%では生き残れないのです。むしろネガティブの方が生き残る確率が増します。
ところが、人間社会はポジティブが称賛されています。特に日本にいれば、急にライオンに襲われたりすることはありません。
すると「襲われるかもしれない」と、ネガティブに考えて心の準備をしていると、ただ疲れるだけになってしまします。
周りの人がヒソヒソ話をしていても、自分のことを話しているかもしれないと思わなくてもいいということです。
特に過剰にネガティブに考える方は、「考えること」にエネルギーを消費してしまい、疲れてしまいます。すると、何をするのにもおっくうに感じてしまうので、ネガティブの方は活動量が少なくなります。
では、なぜ過剰にネガティブになってしまうのでしょうか。
実はこのヒントが自然界に隠されているのです。
例えば、あなたがシマウマだと思ってください。草原で草を食べていますが、今日はお腹が痛みます。そのため、いつもより走るのが遅くなるとします。
いつもなら、ライオンが自分に20mのところに迫ってから逃げても捕まらないとします。でも今日はお腹が痛むので、いつもより走る速度が半分になるとします。
すると、ライオンが自分から40mのところまで来たら、逃げなければなりません。
つまり、いつもは40m先の草が揺れても気にしなかったけれど、今日は「ライオンが来たかもしれない」といつもより、ネガティブに考えなければなりません。
「きっとライオンじゃないだろう」
「多分何とかなるだろう」
と、ポジティブに考えたら、いつも通り早く走れないのでライオンにつかまって食べられてしまうのです。
つまり、体の状態が悪いとネガティブに考えなければ、命が危険な目にあうのです。
人間は人間である前に動物です。そのため、この動物的な感覚も無意識に備わっているのです。このため、ネガティブは「体」が原因で起きているということも知る必要があるのです。
「体調が良くても私はネガティブだ」という方もいるでしょう。しかし、そのような方でも体調が悪くなると、更にネガティブ度が増してしまいます。
たとえば、周りの人がヒソヒソ話をしていたら「自分のことを話しているのかもしれない」と思ってしまうことがありますよね。 これが体調の悪いときには「自分の悪口を話しているんだ」とネガティブの度合いが増してしまうのです。
2.ネガティブとは一言でいうと...
そもそも、ネガティブとは一言でいうと「事実を偏って認知している」ということです。
生きていると日々色々なことが起きますが、ネガティブとは悪いところだけを見てしまうという現象です。つまり、物事の悪い部分の半分だけをクローズアップしてみており、良いところを見ようとしないことで起こるのです。
例えば、仕事(勉強)で失敗したとします。
この場合、ネガティブに考えると...
「上司(教師)に怒られるかもしれない」
「左遷や降格(赤点)になるかもしれない」
というように「悪い部分」に注目してしまいます。
では、仕事(勉強)で失敗したとします。
この場合、ポジティブに考えると...
「上司(教師)に自分のできていないところを教えてもらうチャンスだ」
「これを機会に、自分の能力を伸ばすことができる」
というような良い見方もできます。
体の調子が悪いと、つい悪い部分だけを見るようになってしまうのです。
3.ネガティブになる「体」の4つの原因と対策
体調が悪いとネガティブになる理由がご理解いただけたかと思います。
ではここからは、ネガティブになる「体」の4つの原因と対策をお伝えさせていただきます。
ネガティブになる4つの原因は下記の4つです。
- はい上がろうとするとネガティブになる
- 姿勢や動きでネガティブになる
- 呼吸でネガティブになる
- 自律神経が活性化していないのでネガティブになる
では、これらを1つずつ解説していきます。
1. はい上がろうとするとネガティブになる
ネガティブになると、それがいけないことだと思って、はい上がろうとしてしまいます。
これがネガティブを長引かせることになるのです。
通常、ネガティブになると落ち込みます。
ネガティブの人ほど無意識に
「落ち込むのはいけないことだ」
「落ち込まない方が人として良い」
という勝手な思い込みをしてしまいます。
実は、落ち込むというのは自律神経の1つである「副交感神経」を活性化させる重要な感情 なのです。副交感神経は、体や心を休養モードにさせて疲労の回復、病気やケガの回復を促進させています。
つまり、「ネガティブになり落ち込む」というのは、体や心を回復させようという重要な働きがあるのです。そのため、思いっきりネガティブになるといいのです。このとき、体が何をしたいかを感じてその通りにして下さい。
例えば、「何もしたくない」と感じたら何もしないでください。ベッドの中でゴロゴロしていたいなら、その通りにしてあげればいいのです。
実はネガティブになりやすい方というのは、それだけ体が疲れていたり、心が傷ついたりしているのです。ですから、副交感神経をたくさん働かせて、回復させる必要があるのです。
■ネガティブ対策①
ですからネガティブを心から受け入れ、十分に落ち込むほど副交感神経が働き、体や心が元気に戻るまでが早くなります。
先ほど「体調が悪いとネガティブになりやすい」とお伝えしました。これは自分を守るため以外に、自分を元気にさせるためでもあるのですね。
ところが、「ネガティブはいけないこと」「落ち込んではいけない」という価値観を持っていると、落ち込みやネガティブから何とかはい上がろうとしてしまいます。実はこの行為が、ネガティブに拍車をかけてしまうのです。
先ほどお伝えしたように、ネガティブになったり落ち込んだりするのは、体や心が疲れているからです。そのため、十分に休むには副交感神経を働かす必要があります。
副交感神経は安心することでもスイッチが入りますが、安心できる状況でないときには、ネガティブになったり落ち込んだりすることで、スイッチを入れることができるのです。
安心できる状況でない方は、自分の体や心を元気にさせるために、ネガティブになることや落ち込むことが必要なのです。
そのためには、ネガティブからはい上がろうとせずに、それを受けれ、十分に落ち込む必要もあるのですね。すると、自然とネガティブから脱することができるのです。 部屋に引きこもるのも、布団から一日中出なくなるのも、必要なことなのです。
2.姿勢や動きでネガティブになる
体調が悪いとネガティブになりやすいとお伝えしましたが、体調に大きく影響を与えるのが「姿勢や動き」です。
結論からお伝えしますと...
ネガティブになりやすい姿勢や動きがあるのです。
例えば、顔を水平から5度下に向け続けるとネガティブになるという実験結果があります。脳には脳下垂体という場所があり、全身のホルモンの調整をしています。顔を5度下に向け続けると、この脳下垂体への血流が低下するため、働きも低下してしまうのです。すると、ホルモン調整が乱れてしまい、ネガティブになることがあります。
また、脳下垂体だけではなく、姿勢が悪いと体が縮まる部分が多く、血液の流れが悪くなりやすくなります。すると、その部分に痛みやしびれが出たり、機能が低下したりすることにより体調が悪くなりやすくなります。
また、次にお伝えする呼吸も姿勢が悪いことでしにくくなるのです。このようなことから、姿勢が悪いと体調も悪くなり、ネガティブになりやすくなるのです。
特に、下を向きながら動くのは注意が必要です。
- 下を向いて歩く
- 下を向いてパソコンやスマホを操作する
- 下を向いて本を読む
- 下を向いて編み物などをする
これらは、ネガティブになりやすい動きになります。一般的に「ネガティブになるから下を向いたり姿勢が悪くなる」と思われがちですが、実は「下を向いたり姿勢が悪いとネガティブになる」というのが、体の専門家の意見です。
■ネガティブ対策②
これをご覧いただいて姿勢を頑張って良くしようとすると、逆に力が入ってしまい無理な姿勢になってしまいます。そのため、 最初は両足に均等に体重がかかっているかを気にしてみて下さい。 両足均等になりましたら、少しだけ胸を広げて呼吸をしてみて下さい。そして胸の広げ具合を試しながら深く呼吸をしてみて下さい。
一番楽に呼吸ができる姿勢が、今のあなたにとって自然な姿勢であり、良い姿勢です。 立っている時や座っている時に、たまに気にして自然な姿勢を探してみて下さい。
3.呼吸でネガティブになる
姿勢と同じぐらい重要なのが呼吸です。呼吸は3分止まると脳に損傷が出始めると言われるぐらい、とても重要です。なぜそんなに重要かというと、酸素がないと人はエネルギーを作り続けることができないからです。
心臓が動くのも、脳があれこれ考えられるのも、食べたものが消化できるのも、疲れを取ることさえも、エネルギーが必要なのです。そのため、酸素を取り入れる呼吸が大切となってきます。
ところがネガティブの方は、呼吸が浅い方が非常に多く、体の中にエネルギーを作りにくくなっているのです。
そのため、ネガティブにもなりやすいのです。なぜなら、体がエネルギー不足の時にポジティブになると、活動的になりエネルギーをたくさん使ってしまいます。するとエネルギーがなくなってしまうのです。エネルギーは、心臓を動かしたり呼吸をしたりするなど、色々と体の調整をしていますので、エネルギーがなくなると死んでしまうのです。
つまり、 ネガティブになるのは少なくなったエネルギーを使い切らないようにしてあなたの命を守っているのです。
ですから、ネガティブになるのも重要なことなのです。
■ネガティブ対策③
このようなことから、呼吸を大きくすることをお勧めします。一日4~5回、一回当たり4~5分間、とにかく呼吸を大きく呼吸をして下さい。いつもより大きな呼吸であればどんな呼吸であっても構いません。 これを行うことで、酸素が体の中に取り入れやすくなり、体も心もエネルギーが回復してくるようになります。
4.自律神経が活性化していない
自律神経は、我々の意識とは関係なく、独立して動いています。心臓を動かしたり、胃腸で食べ物を消化吸収させたりするのを意識する方はいないと思います。これは自律神経が我々の意識とは関係なくコントロールしてくれるので成り立つのです。
実は、ネガティブになるかならないかは、この自律神経がコントロールしているのです。
つまり、心臓を意識して止められないように、意識してネガティブを止めようとか、意識してネガティブになろうとは、なかなか出来ないのです。
特にネガティブと深く関係するのは副交感神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。交感神経は体や心を活発に働かせる作用があります。 逆に副交感神経は、体や心を働かないようにさせて、疲労を回復させる働きがあります。
先ほど「はい上がろうとするとネガティブになる」の項でお伝えしましたが、ネガティブは副交感神経を働かせて、体と心を癒して回復させていますので、悪いものではないのです。
途中で這い上がろうとすると、副交感神経が途中で働かなくなってしまうので、体と心が十分に癒され回復しません。ネガティブを受け入れてきちんと落ち込めば、副交感神経が活性化して、回復が早くなります。
■ネガティブ対策④
ネガティブになっていてイライラしてきたり、そわそわしてきたりした場合は、今度はそのイライラやそわそわを受け入れることが重要です。そして、大きな声を出したり、体を大きく動かしたりしてイライラやそわそわのエネルギーを発散させる必要があります。
イライラのエネルギーを発散させると、一度、副交感神経が働きを止め、交感神経が働き始めるのですが、その後に反動で気持ちよく副交感神経が働き始めます。
これが自律神経の活性化になります。ここまで来ると、ネガティブの回復まであと少しとなります。
十分にネガティブに浸っていると、ある時から気分が少しずつ晴れやかになってきます。
まとめ
「ネガティブは性格ではなく「体」に問題がある!」と題してお送りしたページですが、この考えの根底になるのは、「ボディサイコロジー、身体心理学」の考え方である「心における身体の重要性」です。
欧米では1930年から研究されており、最近では日本の大学でも研究されている学問です。
参考サイト
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