TOP » 【コラム】うつや自律神経失調症の秘密 » 顔面神経麻痺・ベル麻痺と神経の関係
顔面神経麻痺・ベル麻痺と神経の関係
更新日:2019.03.27
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
このページでは、顔面神経麻痺・ベル麻痺の症状や種類、神経との関係について具体的に解説しています。
顔面神経麻痺とは...
顔面神経麻痺は、脳の問題で起きるものと、脳から出ている顔面神経の問題で起こる2種類があります。
ここでは脳ではなく、顔面神経の問題で起きている顔面神経麻痺を対象にお伝えしております。
そのため、顔面神経麻痺の場合、一度は脳神経外科などで検査をして脳に問題がないかを確認するようにして下さい。
顔面神経麻痺の種類
顔面神経の問題で起きる顔面神経麻痺には、原因がはっきりしているもの(例えば事故で顔面神経が傷ついたなど)と、原因がはっきりしていないものがあります。
原因がはっきりしない顔面神経麻痺をベル麻痺、あるいは特発性顔面神経麻痺と言います。
顔面神経麻痺の多くはこのベル麻痺のため、ここで言う顔面神経麻痺とはベル麻痺のことを指していきます。
神経の種類
では、顔面神経麻痺の原因と改善法をお伝えしますが、分かりやすくするために神経の話からお話しします。
一般的に神経と言いますが、大まかに分けると運動神経と感覚神経とに分けられます。
運動神経
運動神経とは、筋肉を動かすために必要な神経であり、脳からの指令を筋肉に届けます。
例えば、あなたが腕を動かそうとしたときは、脳から「腕を動かす」という指令が出され、その指令を神経が腕の筋肉に伝えて腕が動きます。
感覚神経
感覚神経とは、体の各部で感じたことを脳に届けます。
例えば、あなたが手で氷に触れた時に、手は冷たいものに触れたという感覚がありますが、その感覚を神経が脳に伝えているのです。
運動神経が脳からの指令を筋肉に伝えることや、感覚神経が手の感覚を脳に伝えることを神経伝達と言います。
この神経伝達が機能しなくなることを神経麻痺と言います。
顔面神経は運動神経と感覚神経の両方があるので、顔面神経が麻痺すると、運動神経と感覚神経の両方の神経伝達に問題が出てくるのです。
顔面神経と症状の関係
顔面神経の麻痺をご説明しますと、主に表情筋という顔面の筋肉が動かなくなるのが有名ですが、実は、神経のどの部分で障害が出ているかで症状が異なってきます。
顔面神経は色々な神経に枝分かれしてもいるので、一口に顔面神経麻痺と言っても色々な症状があります。
そのため、顔面神経のどの部位で問題があるかで、出る症状の範囲が変わってきます。
感覚神経
右図は顔面神経の模式図ですが、例えばAの部分で問題があると①②③④全ての神経に症状が出ます。
また、Aの部分は耳の神経(内耳神経)にも影響を与えますので、めまい・耳鳴り・難聴などの耳の症状が出ます。
さらに、
- Bで問題があると②③④の神経で症状が出てきます。
- Cで問題があると③④の神経で症状が出てきます。
- Dで問題が起きると④の神経だけで症状が出てきます。
具体的にどのような症状かというと...
①大錐体神経 | 涙をコントロールする機能があります。 |
---|---|
②アブミ骨神経 | 音を小さくする機能があります。 |
③鼓索神経 | 舌の前の方の味覚を感じる感覚神経です。 |
④顔面神経 | 顔面の筋肉の麻痺が起こります。 例えば、表情筋の一つである口輪筋が垂れ下がると、口のしまりがなくなります。 |
つまり、Aの部分で問題があると...
- ①涙が出にくくなり、
- ②音に過敏になり、
- ③味が感じにくくなり、
- ④顔面の筋肉に麻痺が起こる
ということです。
また、Aの部分で問題がある場合はめまい・耳鳴り・難聴なども関係してきます。
逆に④の部分で障害が起こると、顔面の筋肉に麻痺が起こるだけで、涙も出るし、音も普通に聞こえ、味も感じるということです。
- 関連ページ