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ストレスと脳の関係
更新日:2019.11.07
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
脳は解剖学的に三層に分けられます。
一番下の層は脳幹という、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、内臓を動かしたりなど、生物に共通した生きるのに必要なことをしています。俗に爬虫類脳(はちゅうるいのう)といわれています。
脳幹の上の層を大脳辺縁系といいます。
主に記憶と感情をコントロールしています。
気持ちいいことや不快なことを記憶し、いつどこで何があったかなどの記憶をしています。俗に哺乳類脳(ほにゅうるいのう)といわれています。
大脳辺縁系の上の層は大脳新皮質といい、霊長類だけが発達している部位です。
ここでは意欲を起こさせたり、言葉を使ったり、知識を得たり、何が起こっているかなどを認識しています。
つまり、大脳は脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質の三層に分けられるのです。
うつや自律神経失調症の原因はストレスですが、どのストレスが脳のどの部位にかかっているかを知るもうつや自律神経失調症を改善させる手助けになります。
大脳は脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質の三層に分けられます。
脳幹・小脳のストレス
脳幹は先ほど言ったように脳の一番下にあります。
そしてここと連動して動くので小脳という部分があります。
そのため、ここでは脳幹と小脳をまとめてストレスとの関係をお伝えします。
先ほど言った脳幹は、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、内臓を動かしたりしています。
小脳は脳幹と連動して動きます。
その他にも平衡感覚をコントロールしたり嚥下(えんげ)といってものを飲み込むことをコントロールしています。
また小脳と一緒に体を動かすのがスムースに行くように体を微妙に傾けたり、揺れないようにしたりしています。
このため、うつや自律神経失調症になると、脳幹や小脳がコントロールしている心臓がドキドキしたり、呼吸が苦しくなったり、内臓が動かなくなったり、平衡感覚がおかしくなりめまいになったり、食べ物が飲み込みずらくなったり、震えやけいれんが起こったりするのです。
さて、脳幹や小脳に対してはどんなストレスがかかるかというと、それは呼吸と姿勢と行動の3つです。 そのそれぞれをご説明します。
呼吸
呼吸は脳幹がコントロールしているもので唯一意識でもコントロール出来るものです。
呼吸は意識してコントロールできますが、心臓や胃は意識ではコントロールできませんよね。
この呼吸が乱れることで脳幹にストレスがかかり、自律神経失調症になるのです。
ですから呼吸法を覚えるというのはとても重要です。
当院で行っているうつ・自律神経専門のヨガ「メンタル エナジー・ヨガ」も呼吸法を重要視しています。
また、呼吸については「うつ・自律神経失調症と息苦しい呼吸」のページに詳しく書いていますので、息苦しいなどの症状がある方はご覧ください。
当院では、うつ・自律神経専門のヨガ教室も開催しております。
姿勢
姿勢や歩くときなどに微妙に左右に重心をかたむけたり、前後に重心をかたむけたりする小さな動きは、脳幹や小脳がコントロールしています。
そのため、悪い姿勢が続くと、脳幹や小脳にストレスを与えます。
ちなみに3時間程度下を向き続けた場合、脳幹には相当のストレスが加わります。
そのため、姿勢を正すのもうつや自律神経失調症には重要なことなのです。
このことから、体のゆがみを治さずにいると脳幹にストレスを与えている状況になるのです。
整体がうつや自律神経失調症を改善させることができるのはこのように脳幹のストレスを軽減できるからなのです。
行動
早く歩くと交感神経が働きます。
ゆっくり歩くと収まってきます。
姿勢と共に動きによっても脳幹にストレスを与えます。
急いで歩く癖のある方はゆっくりと歩いてみましょう。
負けず嫌いで人と競ってばかりいる人は負けてみましょう。
小さな声の方は大きな声を出してみましょう。
いつも噛みしめている方は口を大きく開けて1分ぐらい保ってみて下さい。
ゆっくり歩くことを心がけてみましょう。
同じ行動は脳幹の同じ部分ばかりを使いその部分が疲労してしまいます。
いつもと違う行動は、脳幹や小脳の疲労を回復させるのに役立つのです。
実は心の状態は脳幹や小脳など体の動きが作っているのです。
ですから呼吸が悪く、姿勢が悪く、動きが悪かったら、心はドンドン悪くなっていきます。
もちろん、うつや自律神経失調症も治りづらくなってしまうのです。
以上、脳の代表的な三層のうちの1つである「脳幹・小脳のストレス」についてお話しました。
次の「大脳辺縁系のストレス」のページでは、脳幹に覆いかぶさるようにある、大脳辺縁系のストレスについてお話していきます。
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